従来、「特別支給の老齢厚生年金」として60歳から支給されてきた厚生年金は、支給開始年齢が段階的に引き上げられ、最終的に65歳からの支給となります。


わが国は、2025年に高齢化のピークを迎えると予測されていますが、年金の支給開始が60歳のままだと、現役世代の保険料負担があまりにも重くなり過ぎてしまいます。そこで、年金の支給開始年齢を65歳に引き上げることによって、年金受給世代と現役世代の負担バランスの調整を図ろうというものです。


基金加入員が将来、60歳〜65歳で支給される年金は、よくいわれるように「3階建て」になっており、次のような3つのパートに分かれています。

(1) 基金の年金(加算部分)
基金独自のプラスアルファ年金です。
基金から支給されます。
(2) 厚生年金(報酬比例部分)
本来は国の年金ですが、基金加入員の場合は、年金原資を基金で代行管理しています。
現役時代に基金に加入していた人は、その期間にかかる報酬比例部分を基金から受給します。

※当基金は平成27年10月1日付で、代行返上(将来分)が認可されました。よって同日以降、厚生年金保険料は全額国へ納めていただいておりますので、代行返上(将来分)後以降の年金(従来「基本部分」と呼ばれていた部分)は国より支給されることとなります。

(3) 厚生年金(定額部分)
国の年金です。基金に加入する、しないに関わらず、
国から支給されます。

上記(3)の厚生年金(定額部分)に関しては、2001年4月から支給開始年齢の引き上げがすでに実施されています。(2)の厚生年金(報酬比例部分)に関しては、2013(平成25)年度から引き上げが実施されることになっています。
なお、どちらの引き上げも、女性は5年遅れで実施されます(イメージ図参照)。
(1)の基金の年金(加算部分)については、当面、60歳支給開始で、従来と変わりありません。


ところで、(2)の厚生年金(報酬比例部分)について、基金加入員は加入していた期間にかかる部分を基金から受給することになりますが、この部分は本来、国の厚生年金を基金で代行している部分です。そこで、国の施策と整合させるため、基金加入員についても、2013(平成25)年度から支給開始年齢の引き上げが実施されることになります(イメージ図参照)。
その一方で、先にも述べましたように(1)基金の年金(加算部分)は、基金加入の大きなメリットとして、当基金では従来どおりの「60歳支給」を堅持してまいります(イメージ図参照)。
厚生年金の支給開始年齢引き上げに際して、「60歳から65歳までの生活費用確保」がサラリーマンにとっての大きな問題になると考えられますが、60歳支給を堅持する基金の年金(加算部分)は、その問題を考える際の、大きなプラス材料になります。
 
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